青森ブランドを守る(田子にんにく 美六姫)

美六姫とは?

美六姫は青森県田子町のにんにくの独自ブランドです。
福地ホワイト6片種から、大きさ、形、病気の耐性に優れた種を選抜したものになります。
まだ登場したばかりの品種のため栽培技術が整っていなく、生産量は田子町全体の1/13、生産者も全体の1/5くらいで、まだ生産は安定していないようです。

2017年に品種登録し、2019年くらいから田子町内で販売しています。
販売ルートが限られており、現状「田子町ガーリックセンター」でしか販売されていないようです。

商標登録の目的

美六姫は田子町が『商標登録』をしています。
『商標登録』は商品や企業のネーミングやマークを守る物である事はよく知られている事です。でも目的は1つじゃありません。
少なくとも美六姫の『商標登録』は『美六姫』の名前を奪われるのを防ぐだけの目的だけではないと思っています。

目的1:希少価値を守る

田子町が『商標登録』をしているという事は、田子町で認めた場所でしか「美六姫」は売る事はできません

今は生産量が少ない事もあるので「田子町ガーリックセンター」でしか売ってないのかもしれません。
しかしこれが今後生産量が増え、「田子町ガーリックセンター」以外で売ったらどうなるでしょう?
特に今はネット販売の時代です。生産者は自分で売りたいと思っている方は少なくないはずです。
値段競争が始まる→安くなる→ブランドイメージが低くなる

田子町が販売者を管理する事で、この悪い流れを止める目的があると思っています。

目的2:偽物を防ぐ

福地ホワイト6片種は、寒冷地で育つ品種です。寒暖差が大きい田子町だからこそ、良いにんにくが育つのです。
今「美六姫」は芽がなるべく出ないように売られていると思いますが、100%芽が出ないとは限りません。
もしこのにんにくを買い、温かい土地に持って行き、育てたらどうなるでしょう?
田子町以外では質の悪いにんにくができるかもしれません。でも「これが美六姫です」と売ってしまうことが出来てしまいます。
しかし『商標登録』をしているということは、例え不正に育てても「美六姫」として売れません。

田子町が販売者を管理するという事は、こういうメリットもあるのです。

今後はどうなる?

今後も『商標登録』のメリットを生かすためには、販売者を管理するのは有益です。ただデメリットも多いです。

数年後、生産量が上がったとしましょう。その時も「田子ガーリックセンター」だけで売ってたらどうなるでしょう?
「田子町ガーリックセンター」は失礼な話ですが、青森県人は多く訪れると思いますが、例えば東京の観光客が「田子町ガーリックセンター」だけを目的に訪れるような場所ではありません。
売る機会が少なければ、認知度も上がらないでしょう。

生産者も「自分が作ったにんにくを、自分が売りたい形で売れない」「せっかく作っても美六姫として売れない」では不満も出てくるでしょう。

この辺が課題となってきますが、「ブランドを守る」ための『商標登録』は避けては通れません。

「青森ブランドを守る」ためには『商標登録』は必要です。
ただこれ以外でも、『商標登録』を使う目的はまだあるんです。
それはまた次回にでも。

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